わたしが軽自動車を選ぶ理由。

子育ての相棒!
ママを支える軽自動車

2025.11.21

 1999年に発足したNPO法人「新座子育てネットワーク」は、妊娠期から18歳までの子どもと家庭を、地域で支える仕組みづくりを続けています。母親たちの自主的な子育てサロンから始まり、その時々のニーズや社会状況に応じて、活動の範囲を広げてきました。
 最近では、埼玉県新座市各地で地域の中に子どもの居場所をつくる「子どもひろば」を実施したり、ひとりで子どもを育てるお母さん・お父さんのコミュニティを作ったり、父親のための研修プログラム「お父さん応援プログラム」を実施したりしています。

 広報を担当する遠藤裕子さんは「26年前の発足時から、私たちは子育て中の母親の孤立に着目していました。ただでさえ乳幼児期には外出がままならない状況に加えて、慣れ親しんだ地域ではないところで子育てをする人も多くいます。そんな時に、地域の中に親兄弟以外の人たちとの関わりがあれば、ママ友ができて孤独感が薄らぎ、子どももまた社会性が育まれます。私たちは、まず話を聞いて共感するところから、活動を続けてきました」と話します。現在では職員は約50名で圧倒的に女性が多く、複数の子育て支援センターや児童センターを運営しています。

自由に出かけられることが大事

 スタッフの平井夏海さんは、そのうちの一つ、児童センター地域子育て支援センター「セサミ」に勤務しています。
「仕事をしていて感じるのは、子どもと一緒に移動するのに、自動車が大切な移動手段であること。施設を訪れる親子には、軽自動車を利用している人も多く見られます。
「私自身そうだったのですが、もともとペーパードライバーで、子育てをきっかけに車に乗り始めました。ここに通うお母さんたちも、子どもが生まれたのを機に車を利用し始めたという人が多いんです。病院に行く、子育て支援センターに行くなど、目的地も変わりますから。お母さんたちの中には、免許を取り立てで運転に慣れていないという方も多いですし、母子で出かけるにはコンパクトな車の方がいいなど、軽自動車を選ぶ利点についても色々と耳にします。」と平井さん。

 また大人だけでの移動ではなくなることも、車が必要になる大きな理由です。「自分一人であれば、バスや電車、自転車での移動は苦ではありませんが、やはり小さい子どもが一緒だと荷物が多くなったり、ぐずったりすると途端に移動が難しくなります。そうすると、ますます外出がしにくくなってしまいます」と平井さん。移動の問題もまた、親の孤立とも深く関わっているというわけです。
 遠藤さんも同意します。「出かけられる“足”があるということは、実はとても重要です。誰かに会う、サービスを受ける、気分転換をする。そんななにげないことでも、移動しないとできないことがいろいろあります。ふだん何気なく移動できる立場にいると、移動に大きなハードルがある生活は想像しにくいものです。子育て中のお母さんは、けっこう移動に困難を感じている人も多い。そのハードルを下げてくれるのが、自動車の存在だと思います」と話します。
 外出時に子どもが退屈すれば、歌を歌ったり、疲れて眠ったりもできる。買い物をして荷物が増えても大丈夫。雨の日も目的地まで一直線に行くことができる。特に子どもが小さい家庭にとっては、なくてはならない存在です。

送り迎えは、貴重なコミュニケーションの時間

 平井さん自身も、ふだんから軽自動車の愛用者です。先述した通り、もともとペーパードライバーだったのが、子育てをきっかけに運転を再開。いまではその時の子どもは高校生になっています。
「スズキのラパンに乗っています。見た目が好みで決めました。また娘が高校に進学して、毎日駅までの送り迎えが必要になったこともあり、小回りがきいて乗るのが楽しい車がいいなというのが選択の理由。シャンパンゴールドとベージュのツートンカラーで、用事を終えて駐車場に戻った時にその姿を見て『あ、かわいい!』とうれしくなります。車内のインテリアも気が利いていておしゃれで気に入っています」。

 平井さんは、子どもと過ごす送り迎えの時間は、大切な時間だと話します。
「短い時間ですが、学校であった出来事やいま興味があることなどを、よく話してくれるんです。狭い車内だからこそ、彼女の様子もよく見えます。『今日は嬉しいことがあったんだな』『なんだか元気がないな』と気づくこともできます。この送り迎えの時間を、私は楽しい時間だなと思っています」。自然と近くなる場所だからこそ、親子のコミュニケーションの空間になっています。

 送り迎えの時間が、親子の絆を深めてくれるように、軽自動車はただの移動手段ではなく、日々の暮らしを支える小さな相棒です。小回りがきき、燃費もよく、どんな道でも気軽に走れるからこそ、子育て期の自由と安心をもたらしてくれる存在。外へ出るきっかけになり、人とつながる時間を運んでくれる。その一台が、家族を支え、地域をやさしくつないでいます。